バンダイスピリッツより発売された「HGスコープドッグ」の製作記事です。
プラモデル製作で「塗装前にどこまで加工すべきか」「組み立て後に塗りづらくならないか」と悩む方も多いはず。
今回は、HG スコープドッグを塗装前提で製作し、関節や可動部のクリアランス確保、後ハメ加工、可動の干渉対策を行いました。
製作中に感じた「塗装しやすさ」と「完成後の見映え」を両立させるためのポイントを丁寧に紹介しています。
これからHGスコープドッグを塗装仕上げで組みたい方に、作業の流れと注意点が一目で分かる内容です。

バンダイスピリッツより発売された「HG スコープドッグ」を、塗装仕上げを前提に製作しました。
スコープドッグはアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の主人公・キリコ・キュービィーの愛機。
無骨でシンプルなデザインながら、ディテールの精密さとプロポーションの美しさが魅力です。
HGキットは約1/32スケールで、WAVE製の1/35スコープドッグよりやや大きめ。
タカラやWAVEの旧キットと並べるとサイズ差が明確に分かります。
そのままでも十分楽しめますが、塗装映えさせたいなら、可動や見映えを意識した事前加工が必須です。

以下では、塗装を前提に行った各部位の加工内容を紹介します。
頭部の加工
●バイザーの合わせ目処理と後ハメ化
HGスコープドッグのバイザーは中央と左右の3分割構成。
WAVE製と比べて合わせ目が目立つため、3パーツを接着後、黒い瞬間接着剤で隙間を埋めて整形しました。
裏側の隙間も同様に処理しています。

バイザー裏側

また、アンテナ基部に設定にない破損防止のリブがあるため、削り取って設定通りの形状に修正しました。
バイザーを接着すると頭部に組み込みづらくなるので、内側の接続ピンを半分ほどカット。

片方のピンを引っかけつつ、もう一方を差し込むことで後ハメ可能にしています。

バイザー左右に設定上はリベット状のモールドがあるのですが、キットだと金型の抜きの関係からか、再現されていないので削り取り、WaveのR・リベット[丸]の1.0mmを接着して再現しました。

ターレットレンズの加工
ターレットレンズ部分に穴を開け、H・アイズに交換して視覚的な立体感を強化。
使用するH・アイズはH・アイズ1[クリア]の3mmと、H・アイズ ミニの2.0mmです。
一番小さいレンズはH・アイズに合うサイズがないため、塗装で再現しています。

穴を開けた後のターレットレンズです。

H・アイズは塗装後にエポキシ系接着剤で接着します。
胴体の加工
首の延長
HG スコープドッグは首を上下に動かせます。
首と胴体の間に隙間が殆どなく、塗装して首を動かすと可動が阻害されるか、塗装が剥がれそうだと思いました。
そこで首の軸を延ばし、頭部を少し高くすれば隙間ができると思い、首軸を0.5mm延長加工。

具体的には、職人かたぎ 0.1mm厚のハイパーカットソーで首軸を上の写真の位置でカットし、0.5mmプラ板を挟み、真鍮線(2mm)で軸打ちして補強。

首の軸の上下を接着した後、「スカルプチュア3Dリキッド」と「アクリルパウダー」で固定し、強度を確保しました。

アクリルパウダーが乾燥後に頭部を接続。
結果、頭部と胴体の間に適度な隙間ができ、干渉なく可動します。

頭部を上向きにすると隙間ができてしまいますが、普段はこんなに上げないのでこのままにします。

腹部のロールバーの加工
腹部中央のロールバーはWaveのものより強度はありそうな形状をしていますが、差し込んだ位置の形状がおかしくなっています。
ロールバーを接着してから差し込んだ場所の整形はやりにくそうなので、フックのパーツを加工することにしました。

下の写真の様に切り離しました。

まっすぐ切り離さなかったのは、腹部に接着する方が左右に差し込む位置がずれるのを防ぐためです。
腹部とロールバーのパーツの間に隙間ができたので、黒い瞬間接着剤で埋め、アルテコスプレープライマーを吹いて硬化させました。

整形後の写真です。

この後、フックを差し込みました。

腰の加工
腰パーツの接着
右側に目立つ合わせ目が出るため、通常のプラ用接着剤と流し込み接着剤を併用し、仕上げに黒瞬着+プライマーで表面を平滑化。
※スプレープライマーが関節部に回ると固着するため、噴射角度に注意。

腰フロントアーマーの加工
腰との接続干渉を防ぐため、裏面の赤丸部分を斜めに削り込み。
表面は手を加えず、外観を崩さないようにしています。

腕部の加工
肘関節の加工
肘関節のクリアランスを確保するため、パーツD4の軸の下を削りました。

上腕部を取り付けた後の関節パーツです。
多少隙間が空いても外装を取り付ければ見えません。

ハンドパーツの加工
ハンドパーツの前後にある凸モールドが半丸になっていません。

モールドの凸が半丸でないため削り落とし、R・リベット[丸]2.0mmを接着して再現。

注意するゲート
また、B7・B8パーツのゲートは太めなので、2度切り時にえぐれやすい点に注意。
少し残してからヤスリで整えるのが安全です。
ラッカーパテでえぐれた部分を埋めました。

脚部の加工
太ももの加工
膝関節の入る部分の左右を削り、クリアランスを確保。

その後、横ロール軸が太ももの形を崩すので、接着固定しました。

スネの加工
膝関節とのクリアランスを確保するため、赤い線を引いた部分の削りました。


足の加工
後ハメが困難な薄緑パーツには赤い丸の部分にスジ彫りを追加し、左右対称のモールドに変更。

ターンピックのモールドがしっかり再現されていなかったので、再現することにしました。
モールドを削り、1.5mmの穴を開け、1.5mmのアルミ棒を杭状に削り出し、あけた穴に差し込みました。
パーツの内側から瞬間接着剤で固定しました。

ヘヴィマシンガンの加工
後ハメ加工
銃口部を下の写真の様に分割し、塗装後に接着可能な構造に変更。
マシンガン(分割した下側)の本体側への差し込み部はきつめなので、上下左右を軽く削って調整しました。

グレネードランチャーの発射口開口
ヘヴィマシンガン上のグレネードランチャーの発射口は凸モールドだったため、2.5mmドリルで開口。
見栄えとリアリティが大幅に向上します。

マガジンのヒケ取り
ヘヴィマシンガンのマガジンは肉厚成型で1パーツで構成されています。
肉厚成型で生じたヒケをヤスリで除去し、平滑に整形。

上下の写真のマガジンはヒケを取った後のマガジンです。
結構削りましたが、形状がおかしくなっていないと思います。

まとめ
HGスコープドッグはパーツ構成がシンプルながら、関節や装甲の干渉など細かな調整が求められるキットです。
塗装前にクリアランスを確保し、後ハメ加工を行っておくことで、仕上げ時のストレスを大幅に軽減できます。
今回の作業で得たノウハウは、ターボカスタムや他バリエーション機の製作にもそのまま応用可能です。
塗装派モデラーの方は、ぜひ組み立て前の加工工程から取り入れてみてください。
次回は、30MMシリーズのパーツを組み替え・加工して製作した「HGスコープドッグ用追加装備」の工作工程を詳しく紹介します。
既存キットをベースにした拡張アイデアや、ミキシングによるオリジナル仕様の作り方を知りたい方はぜひご覧ください。
今回の記事は以上になります。

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