プラモデルの展示で「もう一段階、見栄えを良くしたい」「工場や格納庫のような立体的な演出がしたい」と感じたことはないでしょうか。
私自身、斜行エレベーター風のディスプレイベースを製作し、Xに投稿したところ、予想以上に多くの反応をいただきました。
特に「どうやって作っているのか知りたい」「構造を詳しく見たい」という声が多く、それに応える形で製作過程をXに分けて投稿しました。
本記事では、その内容を改めて整理し、斜行エレベーター風ディスプレイベースの作り方を、使用パーツや加工ポイント、注意点とあわせてまとめています。
完成すれば45度傾斜のダイナミックな展示が可能になり、展示会への持ち運びにも対応した実用的なディスプレイを再現できます。
斜行エレベーター製作に必要なもの

まずは基本となる材料です。
・連結ディスプレイベース 1つ
・カタパルト 2つ
・フィギュア・プラモデル用ディスプレイスタンド 3つ
・横幅25mmの折り畳みクリップ 2つ
・加工ツール一式(ニッパー、ヤスリ、ナイフなど)
・接着剤
完全に同じ構造で再現したい場合は、以下も用意します。
・コトブキヤ メカサプライ ディテールカバーA
・コトブキヤ メカサプライ ジョイントセットC
・1mmプラ板(セリアのもので十分)
連結ディスプレイベースは加工中に細かいプラ粉が出て手に付着するため、ウェットティッシュがあると作業がかなり楽になります。
斜行エレベーター(ベース部分)の作り方

最初に、連結ディスプレイベースの柱パーツを加工します。
柱の赤枠で囲った部分をカットしてください。

この時、切り離した使わない方のパーツは後で使うため、捨てずに取っておきます。

次に、カタパルトのベースと八角ベースの接続加工です。
カタパルトのベースは裏側にして、矢印の様なモールドは>の方向になっています。
赤枠の凸モールドと、八角ベースの角を合わせる位置関係になります。
八角ベースの接続用ツメは、青丸の位置にくるよう調整してください。

先ほど切り取った柱パーツを、指定位置に差し込み接着します。
(上の写真の八角ベースは、先ほどの写真では置いていない手前側になります。)
乾燥するまではクランプクリップなどで固定し、確実に接着してください。

使用した接着剤はタミヤセメント。
通常のプラスチック用接着剤です。

乾燥後、加工した八角ベースを3つ目の八角ベースに立てます。
展示会などへの持ち運びを考慮し、分解できる構造にするため、コトブキヤのジョイントを使用しました。


接続には、ディテールカバーA+ジョイントセットCを組み合わせています。
白い部分は1mmプラ板です。
ディテールカバーのジョイントの組み合わせは上の写真の左右のように2種類組み合わせられます。

側面の八角ベースに接続するのに4mm幅のジョイントが必要です。
丁度いいジョイントが無いため、ジョイントセットCの2mm幅ジョイントの左右に、3mm穴を開けた1mmプラ板を差し込み、4mm幅として使用しています。

固定で問題ない場合は、カタパルトのベースをそのまま載せ、左右を合わせて接着してください。
上の写真位置で左右が合います。

八角ベースを使うことで、自然に45度の傾斜が付きます。

上側のカタパルトベースを保持するため、裏側に横幅25mmの折り畳み式クリップを2つ使用しています。
この構造により、簡単に分解が可能です。
なお、エレベーターを上側ベースに載せると転倒しやすいため、必ず下側に設置してください。
斜行エレベーターの台部分の製作
台座の加工



上の写真3枚に写っているのが斜行エレベーターの台を製作するのに必要なパーツです。
台には連結ディスプレイベースのパーツを使用していますが、ここは好みで連結ディスプレイベース用 拡張床2Pなどに変更可能です。


まず、カタパルトのパーツAを加工します。
赤丸で囲った凸部分を削り、形を整えます。
これを4つ作ります。


次に、カタパルトのパーツBです。
こちらも同様に凸部分を削り、4つ加工します。

パーツCの赤丸で囲った部分のツメは、組み立てるのに干渉しないのでそのままでも問題ありません。
気になって削ってしまいました。


ディスプレイスタンドの土台に接続する突起はカットして整形します。
整形後、ベース裏のほぼ中心に接着します。


パーツBは、加工した面同士を合わせてV字になるよう接着します。
100円ショップのメモクリップスタンドのブロックを使うと、直角が出しやすくなります。

カタパルトのパーツCに、写真を参考にパーツAを接着し、レール位置を合わせます。
この際、接着剤がベースに付かないようマスキングテープで保護してください。

十分に乾燥させた後、連結ディスプレイベース後方に接着します。
ベース後方の面に合わせるのが基準です。

その後、V字にしたパーツBを、接着済みのパーツAに取り付けます。
反対側も同様です。
ここは無接着でも問題ありませんが、固定しても構いません。


最後に、残りのパーツCをベースとパーツAに接着します。
取り付け位置は写真2枚目の赤丸部分を基準にしています。

台前側パーツの加工
最初に切り取っておいた、連結ディスプレイベース柱の残りパーツを使用します。


片側のトラス部分は整形後、72mmになるようカットします。
曲尺があればトラス部分を直角に切りやすいです。
もう片方は厚みのある端部分のみを切り出します。


厚い部分の接続軸は両方ともカットし、トラス部分の接着面が直角になるようツールで削って接着。
押し出しピン跡がある面は裏側にします。

台の前側下部に面を合わせて接着します。
左右非対称になるため、気になる場合は調整してください。
支柱の製作と接続(最難関ポイント)
最も苦労するのが、カタパルトベースと斜行エレベーター台をつなぐ支柱です。
ディスプレイスタンドの支柱を加工します。

基本は、ディスプレイスタンドの支柱を短くして接続するだけですが、先端キャップが強力に接着されています。
熱湯で柔らかくして外す方法を試しましたが、6回中成功は1回のみでした。
上の写真で右側が成功。
左側は引っ張ったら被膜が千切れてしまいました。

成功した場合は、ペンチなどで支柱を短くカットし、外したキャップを装着。
支柱の長さは好みで調整してください。
カタパルトベースの大きな六角穴に差し込んで台を保持します。
横からは接続部分が丸見えなので、気になる場合は余った支柱などでディテールアップして隠してください。
支柱の製作と接続:キャップが外れない場合のB案

ディスプレイスタンドの支柱の突起側、支柱を差し込む部分を1.2mmプラ板で囲い、キャップのない支柱を接続する方法があります。
1mmプラ板しか無い場合は、囲いを作り、支柱が入る面に瞬間接着剤を塗って渋み調整します。
白い部分が目立つので、気になる方はベース裏側を加工することで目立たなくなります。

組み上げると、写真のような構成になります。
設置位置と強度について

エレベーター台は、カタパルトベースのディスプレイスタンドの支柱を取り付ける穴に接続して設置します。
ディスプレイベース支柱の長さや曲げ方で位置調整が可能です。

ベース1つにつき3か所設置できるため、ある程度自由に配置できます。
高い位置に台を設置する場合は、八角ベースとカタパルトベースをしっかり接着し、
さらに高い位置のベース裏に支柱を追加するなど、補強を行ってください。
高い位置で展示することを想定していない製作のためです。

また、複数製作すれば、上の写真のように横に連結できます。
これにより複数のキットの展示も可能となります。
標準的なモビルスーツは3体くらいまでは載せることができます。


また、どこまで重量に耐えれるか気になる方がいました。
手持ちの1/100スケールサイズのクロスコア ネビュラと、重量のあるヒュッケバインガンナーを2つ連結した斜行エレベーターに載せてみました。
写真の位置に台を置いた場合は問題ありませんでした。
応用や拡張方法
カタパルトベースの向き変更

斜行エレベーターのベースを上下逆さにしてみました。
逆さにすることは可能ですが、高さが変化してしまうのと、
ツメが合わないのでカタパルトベースのモールドを1つはV方向、一つはΛの方向という配置では横に接続できませんでした。
斜行エレベーターの側面設置

斜行エレベーター側面の壁があればより一層、様々な作品の劇中を再現できるかと思い、
連結ディスプレイベースを4つ並べてみました。
全く足りていません。
連結ディスプレイベースか側面壁が8つから12個くらい無いと敷き詰めることができなさそうです。
側面壁は床面が無いので、カタパルトの床面を使用するなどすれば敷き詰めることが可能です。
斜行エレベーターをハンガー風に

SEEDや彗星の魔女では、MSがハンガーごと移動していたので、連結ディスプレイベースのパーツを付けてみました。 連結ディスプレイベースシリーズの中二階やアームで機体固定したり、機体周りに設置すれば、それっぽく見えるかもしれません。
まとめ
連結ディスプレイベースとカタパルトを組み合わせることで、斜行エレベーター風の迫力あるディスプレイを比較的シンプルな構成で再現できます。
機動戦士ガンダムやポケットの中の戦争の1話、第08小隊の震える山前編などに斜行エレベーターが登場しているので、それらのシーンの再現も可能と思います。
八角ベースを使うことで45度の傾斜が自然に決まり、工場や格納庫風の演出とも相性抜群です。
分解構造を取り入れれば、展示会への持ち運びにも対応可能になります。
少し手間はかかりますが、その分完成時の満足度は非常に高いディスプレイなので、ぜひ挑戦してみてください。
今回の記事は以上になります。
電飾と塗装を施した連結ディスプレイベースの記事はこちら!


